(あしあと その308・北区の18・篠路の12)
篠路にある古刹、龍雲寺の境内の一角に、二基の「馬頭観世音」碑が建てられています。
これらの碑は、境内の南側通用口のすぐ左手にあり、お地蔵さまと個人のお墓の間にひっそりと佇んでいます。
向かって左側に位置する上部がとがった形状の碑は札幌軟石でできており、その碑面には「馬頭觀音」と刻まれています。
向かって右側に位置する碑も札幌軟石でできており、四角柱の形状をした碑面には、正面に「馬頭觀世音」、右側面には「大正九年十二月四日 アオ」、左側面には「大正八年十一月三十日 アオ」、背面には「斎藤嘉藏之建」とそれぞれ刻まれています。
二基の石碑の間に説明板が立てられていて、それには
「龍雲寺の馬頭観世音
篠路の開拓時代、その家の手足となって働いた農耕馬。この農耕馬の健康を願うとともに魂を慰めるため、当時の開拓農民が大正9年(1920年)に建立したものである。
篠路開拓者の心のよりどころとして、ともに歩んだこの龍雲寺境内にその地を求めた。」
と記されています。
ちなみに、「馬頭観世音」碑の右側に建てられている個人名の墓石には、「故荒井好太郎直是之墓」と刻まれており、篠路の開祖である荒井金助の養子であった好太郎のお墓になります。好太郎は開拓使の役人となったものの、若くして事故死したと言われています。
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