「拓魂」碑。

(あしあと その361・豊平区の51・西岡の2)

西岡の高台にある西岡八幡宮の境内に数基の石碑があります。その中でも、巨石を並べて造られた石段の先に、白御影石の石柱で囲まれたひときわ目を引く石碑があります。それが「拓魂」碑です。

巨大な黒曜石でできた碑には注連縄が飾られており、その碑面には「拓魂」と大きく刻まれ、その下に「国務大臣 北海道開発庁長官 粕谷茂書」と添えられています。粕谷茂氏は、'87年から約1年2か月の間、竹下内閣で北海道開発庁長官を務めた人物です。

碑の背面には金属板がはめ込まれており、それには次のように記されています。

「碑文

創建以来、一世紀を閲した西岡は幾多の変遷を得て、大都市さっぽろの高級住宅街として、緑豊かな、しして若くて柔軟な都市として今二世紀に向って大きく翔たかんとしている。

我々は先人達が今日を明日の黎明と信じ、厳しい環境風土の中で生れ育てた自然の諸相を伝承し、過去、現在、未来を繋いだ新たなる歴史を創造し、住み良い街づくり、そして人間味豊かなふる里西岡を築き上げんとす。

茲に西岡開基百年に当り、開拓に従事する子孫相計らい、厳寒と闘い困苦欠乏に耐え開拓に従事した先人の偉業に感謝をし顕彰する為にこの碑を鎮守御社西岡八幡宮の聖域に建立する。

請により撰文す 札幌市議会議員 磯野開丈 昭和63年11月3日 建立者 西岡開基百年記念協賛会・拓魂の碑建設特別委員会 製作者 山本一也」

磯野開丈氏は、当時の豊平区選出の市議会議員です。上記の碑文の下には、この碑を建立するに際して浄財を寄付した住民の「寄付者芳名」が並べられていますが、その一番先頭にも名前が連ねられています。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(東部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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