(あしあと その502・厚別区の8・上野幌の1)
厚別区上野幌にある障がい者支援施設の社会福祉法人札幌報恩会。その前身は、南14条西16丁目にあった少年の教護施設として開設された札幌報徳学園です。国道274号から小高い丘に上がったところにある施設の敷地の一角に、石碑が数基建てられています。
その中にある一つが、自然石でできた「報徳園」碑です。碑面には大きく「報徳園」と刻まれ、その左側に「大正四年八月 小池九一謹設」と添えられています。
小池九一氏は、「報恩」を信条として人生を送った人物で、その精神が少年教護という形で現われたのが「報徳学園」です。長野県松本市出身の小池氏は、明治33年に来道して道庁に勤務し、明治41年には北海道庁立感化院の主事に任命されました。その後大正3年4月から院長を兼務することになり、この碑に刻まれた大正4年には、すでに「報徳」の精神に基づく「報恩園」としての活動が行われていたものと思われます。
札幌報恩学園は、小池氏が私財を投じて設置された少年教護施設であり、現在は障がい者支援を目的とした施設を展開しています。
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