(あしあと その51・豊平区の2・中の島の1)
豊平川に架かる幌平橋。中島公園側の行啓通と中の島側の白石中の島通を結ぶこの橋は、元は昭和2年に個人が私財を投じて架けた木橋でした。その人は河合才一郎氏。氏の功績を称えた記念碑が、幌平橋の中の島側に建つマンション駐車場の一隅にあります。
その碑銘には「幌平橋架設記念碑」とあり、碑銘の両脇には、「創設者河合才一郎氏」、「中の島平岸有志建之」と刻まれています。
碑の台座には、河合氏が橋を架けた功績が刻まれています。
碑の台座にはめ込まれた右側の石板には、「昭和二十三年十一月二十八日 発起人代表」として7名の氏名が刻まれています。
左側にはめ込まれた石板には次のように記されているそうです。
「河合才一郎氏つとに本橋の架設を唱へ万難を排して其の貫徹につとめ昭和二年九月二十八日遂に其の工を了え渡橋を見るに至つた
尓来本橋は札幌市へ通ずる要路となり此地開發の基となつたこれ一に氏の人格の發露である献身的努力の賜であつて其の功績は真に甚大である
此不朽の徳を慕うのあまり有志相謀りて此碑を建て以てこれを永く記念せんとするものである」
幌平橋は、当時の豊平町大字平岸のリンゴを豊平川対岸の札幌市に運ぶために、河合氏自ら当時の4万円という大金を擲って建設しました。建設当初の橋は、幅5メートル、長さ159メートルの木橋で、個人がかけた橋としては日本一のものでした。この碑が建てられている場所はマンション駐車場の一角ですが、そこは昭和5年に河合氏が開いた「精進庵」という料亭の跡地になるそうです。
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