(あしあと その111・豊平区の6・平岸の3)
平岸にある天神山の麓に建てられた石碑の一つ。「馬頭観世音菩薩」碑です。これは山の頂にある相馬神社への入口の北側の一隅にあります。
相馬神社への入口脇に建てられた説明板には、
「馬頭観音碑
明治38年9月、平岸、澄川の農家の人々が、開拓に重要な役割を果たした農耕馬の魂を慰めるため長専寺に奉納したもの。平岸通の拡張延長工事のため、昭和42年、この地に移された。」
と記されています。長専寺は、天神山が面している国道453号を約500メートルほど北方向に向かったところにある浄土宗の大寺です。
しめ縄が掛けられた自然石の碑の正面には「馬頭観世音菩薩」と刻まれており、その石碑の下部は割れていたものをコンクリートで埋めてつなぎ合わせた形跡が見られます。長い年月の間に壊れてしまった碑を修復したんでしょうね。碑の台座は馬の姿が刻まれ、その下には「奉納 阿部栄太郎 澤田清兵衛 中井米吉」の3人の名前が刻まれています。
さらに台座の向かって右側面には、「明治三十八年九月十六日建」の建立年月日と13人の名前が、さらに左側面には12人の名前が刻まれています。
碑に名前が刻まれたこの28人は、平岸、澄川の開墾に携わった有志たちと思われます。
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