(あしあと その273・東区の6・丘珠の1)
丘珠空港の東に位置する丘珠神社。その鳥居のすぐ左に、「丘珠開基百二十年記念之碑」が建っています。
堂々たる台座の上に、大きな黒御影石でできた石碑が載っており、その碑面には、
「風雪に耐えて 二十一世紀にはばたく
丘珠開基百二十年記念之碑 札幌市長 板垣武四書」
と刻まれています。
また、碑の背面には、「平成二年十月吉日 建立 丘珠開基百二十周年記念事業協賛会」と刻まれており、比較的新しい碑であることがわかります。
台座の正面には石板がはめ込まれており、それには、
「碑文
明治三年七月、山形県よりこの丘珠の地に入植された三十戸の人々によって開拓の鍬が入れられてからここに満百二十年を迎えた。
この地も、今や大都市札幌の一地域として著しく開発が進み 居住人口も大幅に増加し 道路交通網をはじめとする公共施設などの整備拡充によって大きく変貌した。唯一、先人たちの血と汗の結晶であり全国にその優れた銘柄で君臨した「丘珠玉葱」の生産地としての面目を保っている。それすら今後続くであろう発展の渦中に埋没するおそれのあるを思うとき、丘珠の礎を築き、より良き発展と伝統的文化の保存継承に自我を顧みず心血を注いだ先人の足跡や、過去の諸々の歴史がその蔭にかくれて忘れ去られることを憂う。
一方、明治二十五年富山県より持ち込まれ舞い続けられてきた「丘珠獅子舞」がその保存伝承の意義と地域文化としての価値が認められ、昭和四十九年十月札幌市無形文化財第一号に指定された。今後も伝統芸能として守り伝えられていくであろう。
開基百二十年を機に、改めて先人達の労苦を想起し、深甚なる経緯と感謝の意を表すと共に不屈の開拓魂を受けつぎ、将来に向けて益々の飛躍を期し、ここに地域住民の総意と協賛によって記念碑を建立す。
平成二年十月吉日 丘珠開基百二十周年記念事業協賛会」
と刻まれています。
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