(あしあと その289・清田区の4・有明の3)
有明神社の境内に並ぶ左側の碑が「謝恩碑」です。
軟石を積んだ台座の上に丸みを帯びた自然石が載っており、碑面には大きく「謝恩碑」と刻まれています。
台座の正面には、次のように刻まれています。
「謝恩碑文
巨萬ノ富ヲ積ムモノ何ソ羨望スルニ足ラン克ク之ヲ散スルモノニシテ以テ〇トスベシ
豊平町會議員天下岩松君夙ニ公共ノ志厚ク大正七年一月我ガ公有地神社ノ為メ土地ヲ寄附スルコト二段歩餘逐年祭祀愈盛大ニ行ハル蓋シ君ノ恩惠ニ依ルヤ論ヲ俟タザルナリ
茲ニ一同相謀リ境内ニ碑ヲ建テ君ガ芳志ヲ千載ニ傳フルト共ニ其萬一ニ酬フルノ徴意ヲ表スルト云爾
大正十年九月二十日 札幌郡豊平町公有地部民一同謹誌」
この碑文によると、当時の豊平町会議員であった天下岩松氏が、現在の有明神社の前身である公有地神社を建てるために土地を寄付したことに対して、住民一同が謝意を表してこの碑を建てたものだということがわかります。台座の背面には、小さく「石工 白船静三」と刻まれています。
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