(あしあと その419・北区の33・屯田の2)
江南神社の鳥居をくぐって境内に足を踏み入れると、すぐ右手に広々と枝を広げたアカマツが目に入ります。これが「望郷のアカマツ」です。
太い幹が根元から斜めに傾いた姿で青々とした針葉を茂らしている大樹は、地域の開拓の歴史を物語っています。
アカマツの前には説明板が3つ連なって建てられており、その一番右側にこの大樹のことが記されています。
「望郷のアカマツ
明治27年(1894年)の春、屯田兵本部は屯田兵が故郷をしのぶよすがにと、屯田兵220戸にアカマツの苗木各2本、水松(オンコ)の苗木各1本を「望郷の松」と銘打って無償で配分した。
屯田兵の定着率を少しでも高めるための思いやりであるが、屯田兵は喜んで兵屋の前庭に植えた。現在(平成3年)、屯田にはこの「望郷の松」を含めて4本残っている。」
はるか故郷を離れて未開の地を開拓するために入植した人々が、望郷の念をこめたアカマツ。約120年前に440本植樹されたこの望郷樹も、今では4本を残すだけとなりました。
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