(あしあと その667・東区の21・北栄の1)
東区北12条東1丁目の創成川通に面して、明治15年創立の諏訪神社があります。境内の一角に手水舎があり、その奥の片隅に大きな石碑が建てられています。
台座の上に自然石で出いた石碑が置かれ、その碑面には「建社記念碑」と刻まれています。
台座の正面には、一部は文字が風化してしまって判読が困難ですが、「明治拾五年」から始まってカタカナ混じりで建社の経緯が刻まれています。
台座のコーピンと呼ばれる天板部分の右側面には、「発起人」として10人の氏名が刻まれています。
また、背面には「世話人」として10人の氏名が刻まれ、左側面には「大正十四年九月拾四日建設 氏子一同 石工坂内造𠮷」と刻まれています。
諏訪神社がある地域には、明治11年に長野県から上野正ほか30余人の人びとが入植して開拓が始りました。明治15年3月12日、入植者の郷里である信州諏訪の諏訪神社(現在の諏訪大社)の御分霊を奉斎して、この地に小祠を建てたのが諏訪神社の前身になります。
上島正の名前は、先に紹介した石碑台座の正面に刻まれた碑文の中にも見て取れますが、東京で測量士を勤めていた同氏は、明治10年に札幌に入って土地を探し、そこで札幌で初めての米作りを成功させた人物として、札幌の歴史に名を残しています。
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