(あしあと その708・東区の28・栄町の4)
小高い丘の上に「開墾大作碑」に並んで建てられているのが「富樫農場 開放記念之碑」です。大きな台石の上に大きな石板が建てられています。
碑面には、「富樫農場 開放記念之碑」と大きく刻まれ、その横に「石狩支廳長從六位大川義男書」と添えられています。
碑の背面には、上部に
「第一回開放 昭和七年 第二回開放 昭和十一年 農場主 富樫傳右衞門 管理人 氏家除長」
と刻まれ、その下に39人の氏名が並び、一番下に「昭和十四年六月建之 中西一男」と、「建設委員」の6人の氏名が刻まれています。
石碑の近くには、黒御影石でできた小さな副碑が建てられており、碑面には
「寄贈
道路 札幌市東区栄町六八九番一 七三〇、九二平方メートル 寄贈主 富樫傳右衛門 直系 富樫亜人 寄贈日 平成二十年八月十八日」
と刻まれています。
碑の背面には、「富樫農場記念碑保存会 建立 平成二十年十一月二十三日」と刻まれています。
周辺一帯に広がった富樫農場は、初代傳右衛門から二代目に引き継がれていきましたが、各地で小作料を巡って小作争議が勃発する中、富樫農場では農場主と小作人の間に円満な関係が築かれ、昭和7年と11年の2回にわたって行われた農地開放も成功裏に終わりました。昭和52年に小作人たちが傳右衛門の人徳を偲び、丘の上に残された2つの記念碑を後世に伝えていくために「富樫農場記念碑保存会」が結成されました。
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