「北海道三景之碑」と副碑。

(あしあと その785・札幌近郊の4)

洞爺湖畔にある洞爺湖温泉の対岸に位置する湖畔道路沿いに、大きな石碑が立っています。洞爺湖芸術館にほど近い場所に建てられた碑は、「北海道三景之碑」です。

碑面には、上部に大きく「洞爺湖」と浮彫りがされており、その下に「北海道三景之碑」と刻まれ、それに続けて「小樽新聞社」と添えられています。

碑の背面には、

「多年北海道開拓ノ促進ト北日本文化ノ向上トニ對シ常ニ多大ノ貢獻ヲ爲セル小樽新聞ハ大正十二年五月八日ヲ以テ創刊滿三十年ニ達シ又同年十一月下旬ニ累號一萬ニ迄ヘルヲ以テ其

三景ノ投票ヲ汎ク江湖ニ募リタルニ投票開始以來七十餘日ニ亙リ應募總數約四百萬ノ多キニ及ヒ利尻富士定山溪洞爺湖ハ實ニ最高點ヲ以テ本道ノ三景ニ選ハレタリ小樽新聞社カ秀麗ナル自然ノ偉力ヲ以テ社會教化ニ資セントスル純ナル此企ハ此ノ如クニシテ汎ク江湖ニ理解セラレタルヲ幸トシ此計畫ノ精神ヲ永久ニ傳ヘ且ツ勝地ヲ中外ニ紹介シテ之レカ保存ヲ計ランタメ茲ニ北海道三景之碑ヲ建設スルニ至レルハ寔ニ始終ヲ全ウセル美擧ト謂ツ可シ仍テ一言之ヲ誌ス

大正十三年十月 北海道帝國大學總長 佐藤昌介 撰 髙田忠言 書 田中久太郎 刻」

と刻まれています。

石碑に向かって左手にコンクリート製の副碑が置かれており、その碑面には

「さんけいひ いろどれおかの さくらばな うめとももさえ そうてほころぶ

昭和四十一年五月 菅原弥五太夫 雅号三宝鳥」

と記された金属板がはめ込まれています。

なぜ札幌の碑を紹介するHPの記事に洞爺湖の石碑を入れたのかというと、この碑と同じものが定山渓にも建てられているからです。碑の背面に刻まれた碑文にあるように、この碑は小樽新聞社が広く読者から北海道の三景を応募した結果、定山渓と利尻富士と洞爺湖が選ばれたことを記念して、この3か所に記念碑を建立しました。さすがに利尻富士までは行けそうもないので、関連する碑として洞爺湖に建てられたものを紹介することにしました。

定山渓の碑はすでに紹介していますが、碑の背面までは読み取れていませんでした。おそらく同じ内容のものが刻まれていると思われますが、機会があれば見てみたいと思います。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(東部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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