「十軒開基百二十年」碑。

(あしあと その271・北区の15・篠路の10)

丘珠空港の北側に広がる篠路町上篠路に、十軒神社という小さな神社があります。篠路町上篠路は、かつてこの地域の北部にあった五ノ戸と南部の十軒と呼ばれた地域を合わせて名づけられました。私は幼いころからの札幌市民でありながら、実はこの十軒という地域名は知りませんでした。この神社の鳥居の脇に、「十軒開基百二十年」碑があります。

白御影石でできた堂々たる台座の上に、黒御影石でできた石板にが置かれ、碑面には「十軒開基百二十年」と大きく刻まれています。その下に「札幌市長 桂 信雄 書」と添えられています。また、台座の前面には黒御影石の石板がはめ込まれ、それには次のように刻まれています。

「碑文

明治四年五月南部藩士 瀬川喜彌太 金田市勝治 佐藤善吉 瀬川友治 釜石勇七 佐々木萬藏 大畑善次郎 佐々木儀七 宮野勝蔵 太田賢蔵の十名は家族を伴い渡道 此の地に居を構えて十軒と呼稱し 部落の発足を見た 以来幾星霜を重ねて今年百二十周年を迎えるに当り 先人の労苦を偲び其の開拓的精神の後世に永く伝承される事を願い茲に記念碑を建立した

平成三年九月五日 十軒町内会」

碑の背面には、「協賛者御芳名」として、55名の氏名が刻まれています。

碑文にあるとおり、この十軒という地名は、南部藩の藩士10名が渡道して開拓したことにちなんで名づけられました。その後も南部藩からの人間が続々と入植して集落を作ってきたんだそうです。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(東部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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