「征露凱旋紀念碑」。

(あしあと その275・東区の8・丘珠の3)

丘珠神社の境内に建てられている、大きな札幌軟石でできた「征露凱旋紀念碑」です。碑面に大きく「征露凱旋紀念碑」と刻まれていますが、初めの「征」の一文字に、修復されたような形跡が残されています。

碑の台座上部には、「發起人 丘珠村青年組」と刻まれています。

碑と台座の間に置かれた台石の正面部分には、「出征軍人」として、「歩兵」と「砲兵」の9人の氏名と、「○治三十九年建之」という文字が刻まれています。

日露戦争は明治37年に始まり、翌38年に日本とロシアの間で交わされたポーツマス条約により講和しました。この碑は、講和の翌年である明治39年に建てられました。ここに氏名が刻まれた兵士は、戦後凱旋してきた方々になると思いますが、この9人のほかに何人の方が出征したのかは知る由もありません。この碑には、戦争に出征する兵士を見送る残された郷里の方々と、祖国のために命を懸けて戦ってきた兵士たちの思いが込められています。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(東部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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