(あしあと その666・東区の20・本町の4)
東区本町にある法国寺は、明治15年開基の古刹です。その境内の西端に、石造の小祠があり、その脇に石碑が建てられています。
小祠には木製の扉が取り付けられ、その中にはお地蔵さまが鎮座しています。
小祠の脇に建てられた石碑には「紀念碑」と刻まれており、台座の正面には「大正十年十月十八日 地蔵尊建立」と刻まれています。
小祠のそばには、金属製の説明板が立てられており、そこには
「この地蔵尊の由来について
今は昔、明治末から大正にかけて、札幌村大字苗穂村北栄部落(現在の伏古十一条二丁目、三丁目一帯)の付近は伏古川の支流の小川が流れ川邊にはタモの木が密生して寂しい場所でもあり、村人がこの付近を通るたびに心淋しい思いをしていた。又、馬橇道が吹雪に見まわれたとき何人かの村人が歩くが歩くがもとの所に戻り同じ道に出てしまう。誰言うともなくお化けが出たとか狐さまに化かされたとかの噂が広がった。
こんな時、土地の有志が相計り地蔵尊を建てようと議が起こり、浄財を出し合い豊平の山崎石工に依頼をして北栄部落の丁字路の一角に安置した。その時法国寺住職に入魂勤行を頂き、それ以後は道に迷う事も無く村人は安寧な生活を営む事が出来る様になり毎年七月には祭事法要を縁深い法国寺様に勤行をお願い営んできた。
又、当日は賑やかな芝居など余興が行われ、村人の娯楽の機会でもあった。
地蔵尊を、じいっと見つめると、なんと安らかな、穏やかな顔のお地蔵さんだろうと言われながらの八十有余年とその歴史には尊いもの有り、その間地域や生活環境の変化に伴い、入魂時からの縁と法国寺様の深いご理解により此の地に遷座し安寧の地を見つける事が出来た。
平成十五年八月二十一日」
と記されています。
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