(あしあと その727・豊平区の85・水車町の3)
水車町の豊平川右岸の堤防の一段下を走る道路沿いに、立ち並ぶ巨木がうっそうとした一角があり、そこに赤い屋根の日本家屋が建っています。
道路に背を向けて建てられたこの家屋は「難得神社」の社殿で、東を向いた正面の手前の両側に石灯籠が置かれていますが、神社につきものの鳥居はありません。ただ、鳥居が建てられていたと思われる台石が、石灯籠の近くに2基残されています。
社殿に向かって右側の石灯籠の上台には、「昭和廿七年四月建之」と刻まれ、中台には「寄附者芳名 近藤昇 武田美範」と刻まれています。
もう一つの石灯籠の中台には、「寄附者」として多数の氏名が刻まれています。上台の一部がいたずらされて傷つけられているのが残念です。
社殿の正面扉の前には、「難得」と浮彫がされた札幌軟石の石板が置かれていますが、これはおそらく、今はない鳥居の額束に取り付けられていた扁額ではないかと思われます。
正面扉の脇には、「難得様の起源について」と「難得神社史」と題された説明書きが掲示されていて、神社のいわれが詳細に記されています。
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