(あしあと その851・白石区の52・菊水の7)
菊水の遊郭があった一角にある菊水公園の北側に、札幌市菊寿園という軽費老人ホームと菊水乳児保育園が入居する建物があり、そこにはかつて北海道庁立札幌治療院と札幌市助産所がありました。
建物の南側の市道に面して説明板が立てられていて、その左側には「建物を知っている人の記憶を元に描いた助産所」と添えられた建物のイラストと、「昭和34年の助産所。建物の一部を借りて開設した頃の長生園の写真」と添えられた白黒写真が掲げられ、その右側には次のような説明書きが記されています。
「北海道庁立札幌治療院跡・札幌市助産所跡
大正6年から9年にかけて札幌遊郭(通称薄野遊郭)がこの菊水地区に移転し、それに伴い公権力で性病を予防・治療する北海道庁立札幌治療院(院長は警察署長)も薄野から遊郭街のこの位置に移転してきた。
戦後、性病予防法と保健所法が制定され、性病予防は保健所の仕事になったので、札幌治療院は役目を終えた。
その施設を札幌市が買って児童福祉法に基づく札幌市助産所を開設。昭和44年に廃止されるまでの約20年間、妊婦・育児相談、入院出産などで多数の母子の健康を守った。
翌45年(1970)には札幌市初の軽費老人ホーム札幌市菊寿園と日本住宅都市整備公団の複合施設を開設し現在に至っている。」
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