「皇恩無窮」碑。

(あしあと その150・豊平区の18・旭町の2)

北海高等学校の南側に北海学園札幌高等学校があります。「行啓記念碑」でも紹介した、北海高等学校の当時の戸津高知校長が、大正9年に札幌商業学校として創立しました。この校舎の東側の敷地内に大きな石碑が建てられています。これが「皇恩無窮」碑です。夏の間は、平岸通沿いからは植え込みの陰になって見えにくくなっていますが、葉が落ちる時期になると、植え込みの隙間からその碑を望む事が出来ます。

碑面に大きく刻まれた「皇恩無窮」の「皇恩」は、その名のとおり「天皇の恩恵」を指しています。「無窮」は、「果てしない」、「永遠」などの意味を持ち、この4文字は「天皇恩恵は永遠である」という意味になります。これは、大通公園の西5丁目にある「聖恩碑」に刻まれた「聖恩無彊(疆)」(せいおんむきょう)と同じ意味です。

碑の背面には、この碑が建てられた経緯を記すために

「昭和十一年十月二日陸軍特別大演習竝(並)ニ地方行幸ノ際實(実)業教育御奨勵(励)ノ思召ヲ以テ辱クモ岡部侍従ヲ本校ニ差遣アラセラル

札幌商業學(学)校長 戸津高知識」

と刻まれています。

戸津高知は、北海高等学校の校長を兼務しながら札幌商業学校の初代校長を務めました。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(東部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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