「西岡開基七十年記念碑」。

(あしあと その364・豊平区の54・西岡の5)

西岡八幡宮の境内に並ぶ「西岡開基七十年記念碑」。この碑は、西岡地区に入植者が入って70年を経た昭和33年に立てられました。碑面には大きく「西岡開基七十年記念碑」と刻まれ、その左脇に「町村金五書」と添えられています。町村金五氏は札幌出身の政治家で、国会議員を経て北海道知事を務めた人物です。

碑の背面には、西岡地区の開拓の歴史について、一部注連縄に隠れて読み取れない箇所がありますが、次のように刻まれています。

「西岡郷は石狩国札幌郡豊平町の一部にして行政區畫上西岡一區及び西岡二區に分かれ月寒川及び望月寒川との間に介在する高燥にして眺望絶佳の地なり南北約一里半東西約十町にわたる帯状をなす明治二十二年福井兵庫の縣人十余戸鍬鍬を背負って来り住すこれ移住者の先駆なりついで同三十年奥地官林の付與を受け入植する者三十五戸爾来遂年移〇〇〇〇〇〇を開墾農作に従事し駸駸たる村運の発展に鋭意努力し同四十二年字焼山を西山と改め昭和十九年字西山を西岡と改稱し以て今日をなせりこれみな歴代の郷内有志克く職務に精励し〇画する事〇〇を得村民亦協心〇〇〇て山野の巨木を伐採叢篠を焚き橋梁を架し道路を通じ火山灰土の改良を図る等多年の辛酸労苦により今や緑なす農耕地は穀菽良く稔り蔬菜よく成育し近郷稀にみる豊饒の地として全村百餘戸耕地二百八十余町歩村民又日々に繁栄を見つつあり

惟うに開拓の業〇〇〇〇に容易ならざるものあり此の地はもと巨樹欝蒼羆熊狐鹿日夜横行し冬は積雪丈餘沍寒膚を裂くも村民克く堅忍不抜の開拓精神に徹し拮据経営七十年以て今日の隆盛をみるに到れるは洵に偉大なる業績というべきなり今茲に開村七十年に當り村民其の昔を追懐し先人の功績を賛え相協力してこの碑を西岡八幡宮の祠域に建つ

建立者 西岡部落民一同 昭和三十三年十一月十日 請により撰文す 西岡小学校長 山口久一 為請 町村金五」

「歴史のあしあと 札幌の碑」(東部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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