「聖蹟」碑。

(あしあと その407・北区の29・北海道大学の3)

「ウィリアム・S・クラーク像」とロータリーを挟んで対面する位置に、大きな石が積まれて築かれた「聖蹟」碑があります。

この碑は、日高産のザクロ石角閃岩という、現在では貴重となった岩石によって造られています。

碑面上部には「聖蹟」の2文字が刻まれていますが、これは閑院宮載仁親王により揮毫されたものと言われています。

碑面下部には、「閑院宮載仁親王殿下篆額」から始まる碑文が刻まれていて、文字が背景と同化して少し読みにくくなっていますが、次のように読み取れます。

「閑院宮載仁親王殿下篆額

昭和十一年秋

〇駕本道ニ幸セラレ〇〇校シ方ヲ省シ給フニ〇〇本學農學部ヲ

大本營及在所ト〇〇〇セ給ヒ十月一日ヨリ〇日間駐御アラセラレ〇ニ十月八日畏クモ〇〇ニ行幸仰出サレ中央講堂二於テ諸員ニ謂ラ賜ヒ尋イテ農醫工理各學部ニ臨マセラレ親シク學術研究業績ヲ〇〇セラル是レ洵ニ本學〇前ノ盛事ナリトス乃チ之ヲ貞珉ヲ勒シテ〇〇光榮ヲ永久ニ記録〇

昭和十二年三月」

この碑文は、書道家の比田井天来の揮毫によるものと言われています。

この碑は、昭和11年に北海道で陸軍特別大演習が開催された際に、大本営として北大農学部の校舎が使用されたことを記念し、その翌年に建立されました。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(東部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

0コメント

  • 1000 / 1000