「馬魂碑」。

(あしあと その495・北区の52・新琴似神社の3)

新琴似神社の境内に並ぶ碑の中に「馬魂碑」があります。札幌軟石で築かれた台座の上に、自然石でできた石碑が置かれています。注連縄が掛けられた碑面には、「馬魂碑」と大きく刻まれています。

台座の上に二段積みされた上段の棹石の正面には、「建設者 新琴似部落會 新琴似青年會」と刻まれています。

下段の棹石の正面にはめ込まれた金属板には、「燕麦や 屯北に 鎮む 蹄跡」の句が記されていますが、作者については判読できませんでした。

本碑の背面には、「大正八年八月一日」と刻まれ、上段の棹石の左側面には「奉納者」1人と「世話人」5人の氏名が刻まれています。また背面には、「昭和61年5月20日修復 新琴似開基百年記念協賛会」と刻まれています。

下段の棹石の左側面にはめ込まれた金属板には、

「ここに 新琴似開基百年行事として開拓及び営農に常に家族の一員として大きく農家経済を支えてきた名馬・愛馬を本碑に懇ろに合祀し鎮魂するものである

昭和六十一年五月十五日 馬魂碑合祀実行委員会 会長 委員(氏名・施工会社名省略)」

と記されています。

また、その背面及び右側面には、「一番通り」から「六番通り」までの地区を代表する多数の氏名が記された金属板がはめ込まれています。

この碑の近くに建てられた説明板には、

「新琴似の馬魂碑

この馬魂碑は、大正8年(1919年)に光明寺境内(新琴似7条1丁目)(に)建立されたが、昭和50年(1975年)に新琴似神社境内に移された。

開拓時代、その家の手足となって働いた農耕馬を供養するためのもの。当時の主な農家は、自分の愛馬を弔うため、それぞれ自分の農地の片隅などに建てたりしていたが、これを総括し「馬頭観世音」として奉置したものである。」

と記されています。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(東部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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