「駐輦之所」碑。

(あしあと その531・豊平区の67・月寒の19)

札幌ドームから国道36号を東に進んでいくと、南側に北海道農業研究センター(旧農業試験場)の広大な緑の敷地が広がります。途中にある豊平消防署東月寒出張所を目印として、その真向いの北側の国道沿いに石碑がたたずんでいます。マンションの敷地内にあるこの碑は「駐輦(ちゅうれん)之所」碑です。

自然石でできた碑は国道に面して建てられており、碑面には「駐輦之所」と大きく刻まれ、その脇に「札幌支廳長山下三次謹書」と添えられています。「駐輦」とは、天皇が行幸の途中で乗り物をとめられることであり、明治14年に明治天皇が北海道を行幸された際に、札幌を出発して現在の国道36号を室蘭方向に進む途中、当時二里塚と呼ばれていたこの石碑のある地でご休憩されたことを記念してこの石碑が建てられました。

この石碑が建てられたのは明治44年になってからですが、当時はこの地一帯には嵯峨牧場の敷地が広がっており、この碑も嵯峨牧場の当主が敷地の一角に建てたものになります。

石碑の背面には、建碑に関する一文が刻まれているようですが、私有地内になるので確認することはできていません。機会があればどのような内容となっているのか確認したいと思っています。

「歴史のあしあと 札幌の碑」(東部版)

「歴史のあしあと 札幌の碑」 ふとしたことで、札幌とその近郊に残された石碑や記念碑が気になり始めました。 歴史が刻まれてきた碑の数々を、後世に引き継いでいけたらと思います。

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